事例:法定後見(保佐)
ご本人:Tさん 81歳 男性 独居
相談者:Kさん 76歳 Tさんの弟
多少物忘れがあるTさんだが、普段の生活で特に困ることはなかった。
KさんはTさん宅を頻繁に訪れては様子をみていた。
ある日、Tさんが自宅で心筋梗塞をおこし、救急搬送された。
主治医から「退院後、一人での生活は難しい。施設入所を考えた方がよい」と言われたTさんは、弟のKさんを頼りたかった。しかし、Kさんは「自分も高齢であるし、家庭に負担はかけたくない」と考えていた。
病院の相談員から『成年後見制度』の利用を勧められたKさんは、思い切ってTさんに提案をした。Tさんは、聞き慣れない制度に戸惑ったが、「身内に迷惑はかけられない」と、利用を決めた。

現在、Tさんには保佐人がついています。施設の入所契約、生活に必要な手続き等は、保佐人が Tさんの代理人として行っています。
「相談相手がいることはいいことだ」と、 Tさんは言います。
KさんやKさんの家族との仲も以前と変わらず良好で、よく面会に来てくれるのだそうです。
事例:法定後見(後見)
ご本人:Hさん 69歳 女性 施設
相談者:Nさん 55歳 Hさんの従姉妹
Hさんは、知的障がいがあり、意思の疎通は難しい状態。
両親はすでに他界。従姉妹であるNさんが施設の緊急連絡先になり、
その他、Hさんに 関する全ての対応を行っていた。
そんな中、突然、Nさんの夫の県外赴任が決まった。Nさんは施設に相談し 『成年後見制度』を知った。最初は、他人が入ることへの抵抗感が強かったが
制度を十分に理解した上で、『Hさんのために』と、利用を決めた。

現在、Hさんには後見人がついています。 Hさんの財産の管理、生活のための必要な契約、手続き等を行っています。 他県に住むNさんとも連絡をとり、Nさんの助言を頂きながら、Hさんが安心して暮らせるように努めています。
事例:任意後見
ご本人:Lさん 76歳 女性 独居
Lさんは、家業を継ぎ長年頑張ってきたが、近年の物価高等の逆風、後継者不在、さらに自身の体調不良が重なり、やむを得ず自主廃業を選択した。
その後、入退院を繰り返し、不安な日々をすごしてきた。
独身で子もいないため、何かの時には、近くに住む姪を頼りにしていた。
姪は、いつも親身になって面倒をみてくれた。
そんな姪に少しでも多く財産を残したいと、遺言書を作ることにした。
公証役場に貼ってあった『任意後見』のポスターがきっかけで、制度に興味を持ち、色々と情報を集めた。Lさんは『いつまでも姪に迷惑をかけるわけにもいかない』と、思っていた。信頼できる人を探すのに時間がかかったが、将来のために任意後見契約移行型の契約を結ぶ事ができた。

現在、Lさんの受任者は、
Lさんが必要とした支援のみを行っています。